オリジナルプリントの費用はどのように決まる?オーダープリントの費用の 内訳を徹底解説

年末・年始はお店におりました。

40代男性のお客様から「オリジナルTシャツを作りたいんだけど値段を教えてほしい」とのお尋ねを受けました。

この手の質問よくいただくんです。

スパッとお返事したいところなんですが、

「幾つかお伺いしないと簡単に出ないんです・・・。」

まずは、基本的なところから、

・「何枚プリントするのか?」:
これないと普通わからないですよ。

・「何にプリントするのか?」:
Tシャツかポロシャツ?スエットって事もありますよね。

・「いつまでにどこで、必要か?」:
明日必要なんですって人結構いますけど、魔法じゃないのでそんなに早くプリントできません。
そもそもプリントするTシャツが届きません。

場所も重要。沖縄・離島を除く西日本は翌日どどきますが、東北・北海道は中1日から2日かかります。

この3つは、考えれば誰でもわかる事なので質問する側もわかっていてほしいところです。

プリント受ける側の事としては

・「データーはどんなものか?」:

これによってプリントする方法が替わります。また、データーに手を加えないといけない場合日数とお金がかかります。

30分2000円です。大抵の簡単なデーターだとこれくらいで収まります。

基本はシルクスクリーン、ガーメントプリンターのインクジェットプリンと、転写プリントなど。

例えば、 普通の白色コットンTシャツでトータル枚数は10枚。プリントはシルクスクリーンで胸にワンポイント1色データーありの場合

Tシャツ代:377円、シルクスクリーン版代:3500円、プリント代:200円

一枚単価はなんと927円となります。

これ、10枚作るというのがミソ。

10枚つくるから版代が10で割れるし、プリンと単価も下がります。

これが、1枚しか作らない場合は

Tシャツ代:377円、シルクスクリーン版代:3500円、プリント代:500円

版代が1枚だと割れませんし、プリント代が高い。。。4377円となります。

1枚だと4377円、10枚作ると927円にそれぞれ1枚単価がかわります。
ちなみに100枚作るとさらに版代も割れるし、プリンと単価も100円まで落ちちゃうので、

Tシャツ代:377円、シルクスクリーン版代:3500円、プリント代:100円

1枚あたり512円。

シルクスクリーンは数が多いと単価のメリットがすごいです。

まあ、10枚以下のプリントする人にシルクスクリーンはお薦めしません。

ガーメントプリントもしくはカットマーク・フルカラー転写でしょうね。

同じ条件で1枚プリントだと

Tシャツ代:377円、プリント代:1000円

となります。版代はありませんので、1枚単価1377円

これ10枚作ると1枚単価1199円で、100枚作ると1枚単価557円となります。

少枚数は版を作らないでよいガーメントプリンターで枚数があればシルクスクリーンがお薦めです。

実際は、表にも裏にもプリントがあり、色も2色3色使ったプリントがあります。

複雑になればなるほど、プリンと価格も上がります。プリンと方法も組み合わせになったり、一概には言えません。

写真のプリントはさすがにシルクスクリーンではできません。ガーメントプリンともしくはフルカラーの転写プリントになります。

ただし、プリントのクオリティーでいうと写真プリントをのぞき、シルクスクリーンが見た目、洗濯堅牢度共、何よりも優れているのでプリント屋としてはシルクスクリーンでプリントしてあげたいところですので、少数プリントで金銭的にシルクスクリーン以外をお薦めする場合、ジレンマがあります。

それぞれの値段として

・何枚プリントするのか?の細かいところでは、

1枚から9枚、10枚から29枚、30枚から49枚、50枚から99枚、100枚から299枚、300枚から499枚、500枚からと、
7種類の値段設定があります。

これにシルクスクリーンだとA5で3500円、A4で5000円、A3で7000円が版代として別途かかり、これは1枚作っても1000枚作っても同じ値段。

一度作成した版は弊社では13ケ月保管いたします。

折角なので上記でふれているガーメントプリンターの価格は白色Tシャツの場合。

プリントする前に前処理剤を塗布する色物のTシャツと値段がかわります。少し高くなります。

また、すべてのプリントに於いて、A5までの価格、A4までの価格、A3までの価格、それ以上でプリントの価格が異なります。

インクの使用量&手間が変わる為です

やっぱり、 「オリジナルTシャツを作りたいんだけど値段を教えてほしい」と聞かれてもスパッとは無理ですね。。。
2019年12月27日
カットマークについて
広島の広島県立広島産業会館でおこなわれた展示会にお邪魔しました。

展示会に行ってきました!

お目当てはポリテーブジャパンという資材屋さんの講演。

まずはウェアプリントの各種手法として、プリント方法を紹介。

・シルクスクリーン
・ラバーシート・カッティング
・ラバーシート・溶剤プリント&カット
・コピー転写
・LEDプリント転写
・昇華転写
・ダイレクトプリント
・ヒートカット

上記8種をプリント方法の項目として挙げられました。

それぞれ良い点と悪い点。

【ラバーシート・カッティング】

良いところ:

・設備投資が比較的安価
・細かな文字等もエッジが立ったシャープな仕上げが可能
・必要な枚数のみカットすれば良いので、小ロット多品種向け
・フロック・発砲・金・銀・反射・蓄光等の表現が可能

欠点:

・一枚毎のカットとカス取りが必要なので、同一データー大量生産でもコストメリットは出せない
・被着素材(コットン、ポリエステル、ナイロン)に対し専用のシートを用意する必要がある

【ラバーシート・溶剤プリント&カット】

良いところ:
・複雑な画像やグラデーション表現が可能

欠点:
・1枚毎のカットとカス取りが必要なので、同一データー大量生産でもコストメリットは出せない
・被着素材(コットン、ポリエステル、ナイロン)に対し専用のシートを用意する必要がある
・通気性が悪くなるため、大きな面積のベタ張りには向いていない

【コピー転写】

良いところ:
・設備投資が比較的安価
・複雑な画像やグラデーション表現が可能
・プリントスピードが早い

欠点:
・1枚毎のカットとカス取りが必要なので、同一データー大量生産でもコストメリットは出せない
・カット時は一枚毎にカッティング機にセットする必要があり、枚数によっては非常に手間が掛かる
・被着素材(コットン、ポリエステル、ナイロン)に対し専用のシートを用意する必要がある
・通気性が悪くなるため、大きな面積のベタ張りには向いていない
・カラーレーザーのドラム温度等の管理がデリケート。ロスが多い
・短期間でひび割れが発生する

【LEDプリント転写】

良いところ:
・糊シートにより印字したインク部分のみ転写されるので、複雑なデーターは得意
・白プリントが可能なので、濃色ボディーにも使用可能
・プリントスピードが早い
・カッティング、カストリが不要

欠点:
・1枚あたりのメディア+インクコストは400円から500円
・転写専用機として考えた場合、このイニシャルコストは決して安くない(機器OKI VINCI C941dh定価1398000円)
・被着素材(コットン、ポリエステル、ナイロン)に対し専用のシートを用意する必要がある
・最後の離型紙をはがす作業がデリケートでロスが出ることがある

【シルクスクリーン】
【昇華転写】
【ダイレクトプリント】
【ヒートカット】

上記4項目はメモ忘れました。

このブログでもシルクスクリーンとダイレクトプリント(ガーメントプリント)は別記事で詳しく説明していきます。

昇華転写はうちではやらなくなったプリント方法で、ヒートカットは必要ないと判断して外してます。。。

この後はポリテープさんの製品説明

『POLI-FLEX 3s-TURBO』

一般的なカットマークはプレス5秒、冷却に15秒、仕上げプレスに2秒
これに対してPOLI-FLEX 3s-TURBOはプレス5秒後にすぐ剥がして終わり
仕事量は三倍以上というもの

『4036 3s-TURBO』

基本良いところのみ
・表面は完全なマット仕上げ
・厚みはPOLI-TAPEプリンタブル製品最薄の80ミクロン
・プリント後直ぐにインク上をカットしてもメディアの浮き上がりほぼ無し
・130度ー5秒であればポリエステル製品でもブリードやコテ跡の心配無し

転写業界・主なメーカーと商材

■アステム・・・ソフレックス
■システムグラフィ・・・シーサー(イタリア)
■ダイヤモンドマーク・・・ダイヤラバー
■テルミ・・・マットフィットラバー(中国)
■バイオテック・・・カッティング・フレックス
■宝来社・・・シュミカ(フランス)
■友貴・・・ファインフレックス
■ユーロポート・・・Eフレックス(韓国)
■アートプランニング・・・スーパーエース

〇三登商事・・・SP-Jシリーズなど
〇ダイセルファインケム・・・セルカラー
〇太陽精機・・・サンマーク
〇日本ポリマーク・・・トランスタットラベル
〇バンドーエラストマー・・・エクシード

国内にはこれだけのメーカーや商社がありますが、自社生産を行っているのは〇マークの上記5社のみです。シートの入手は安心のシートメーカーからお勧めします。

エコテックス・スタンダード100について

CLASS1~4まであり、以下は各規準
CLASS1:36ケ月までの乳幼児、幼児期に触れる繊維製品(ベビー衣料、ぬいぐるみ)
CLASS2:肌との接触が大きい繊維製品(下着、Tシャツ、布団、タオル)
CLASS3:肌に直接触れにくい繊維製品(ジャケット、コート、ネクタイ、アウトドア用品)
CLASS4:装飾用途の家具、服飾品(テーブルクロス、絨毯、クション、壁紙)

まあ、ポリテープさんがCLASS1を取っているという事の説明なんですが、他ではUNIQLOの様な海外で商売するところがとっているようです。

その後、耐光テストを見ました。3週間ただ日に当てただけというサンプル。

ポリテープさん以外は元々マットだったものが光沢がでてテカリ、ひび割れが発生していました。

しかし、ポリテープさんのは何ともなってなかったです。唯一匹敵する感じだったのはアステムさんのソフレックス。

結果、野外でのスポーツ用には確実にポリテープさんを使うように決めました!
以上、展示会セミナー記でした。